業界初、加盟店と利益折半=ミニストップ、FC見直し

 コンビニエンスストアのミニストップは25日、現行のフランチャイズ(FC)契約を大幅に見直すと発表した。2021年9月以降、本部が一定の経営指導料(ロイヤルティー)を徴収する仕組みを廃止し、利益を両者で折半する。こうした仕組みは業界初という。コンビニ各社は店主の負担軽減のため、ロイヤルティーを含めた取引関係の在り方を模索しており、同様の試みが広がる可能性がある。

 新制度では、店舗の売上高から仕入れ原価や人件費、商品の廃棄費用など店舗運営に掛かる経費を差し引いた額を事業利益とし、加盟店と本部で原則折半する。現行のFC制度では経費は考慮されず、仕入れ原価のみを差し引いた粗利益でロイヤルティーを算定し、赤字でも徴収していた。新制度に移行すれば売り上げ増が加盟店の利益につながりやすくなる。1日当たりの平均売上高が50万円の場合、利益は現行に比べ15%増えると見込んでいる。

ミニストップフランチャイズ募集

「ミニストップ江東枝川1丁目店」のオーナー・グエンさんはベトナム出身です。16年前に日本に留学したグエンさんが、なぜ数ある選択肢からミニストップでの独立を選んだのか、そして、独立前に抱いた不安をどう解消していったのか、コンビニ経営のやりがいなどをお聞きしました。 まずは、ミニストップとの出会いについて教えてください。

20歳の時に日本語学校に通うために日本に留学してきました。その後、IT系の専門学校を卒業し、カメラの部品の製造を行なう会社に就職したんですが、3年務めたのち、結婚をきっかけに退職したんです。その前からミニストップの他の店舗で店長として働いている知り合いがいて、その人に誘ってもらってミニストップでアルバイトをすることになりました。 なぜ、ミニストップで独立をしようと考えたのでしょうか?

結局、その知り合いの店長の下で働いていたのは5年くらいなんですが、その後、違うオーナーが運営するミニストップでもアルバイトスタッフとして働きました。

トータル7年間で5店舗のミニストップで働いたんですが、複数の店舗を経験したことで、「自分ならこうしたい!」という思いがふつふつと湧いてきたんです。その際、他のコンビニは考えませんでした。だって、ミニストップはソフトクリームを始め、おいしいデザートが豊富ですから。ほかのコンビニとの差別化もできるので、ミニストップ一択でした。

  • オーナーインタビュー
  • ミニストップで7年働くなかで芽生えた独立への思い

アルバイトスタッフとして働いていた頃の経験は活かせましたか?

7年くらいアルバイトとして働いていたので、アルバイトスタッフの気持ちがなんとなく分かるんです。「ここでつまずきそうだな」「ここが理解できなさそうだな」って。なので、各時間帯でシフトに入り、極力コミュニケーションを図って関係性を築くと同時に、分からないことや不安な点があったらどんどん聞いてもらうようにしています。 異国の地でコンビニ経営をするにあたり、不安なことはありませんでしたか?

当時は、今よりも日本語がうまく話せず、読めない漢字も多かったので、言葉の面で不安がありました。でも、分からないことがあったら店舗のアルバイトスタッフはもちろん、本部のSA(ストア・アドバイザー)に聞きながらひとつずつ解決していきました。

はじめてのコンビニ経営なので、不安なことがあるのは当たり前。そのためのフランチャイズなので、言葉の問題はもちろん、売り場づくりや発注の面でも、壁にぶち当たった時はスタッフや本部のSAと一緒に乗り越えてきました。 2017年7月にオープンしてから順調に売上を伸ばしてきました。とくに注力したのはどういった点でしょうか?

ひと言でいうと「接客」です。正直、品揃えはどこのコンビニもそこまで差はありません。そうなると重要になってくるのが接客だと考えています。

今、15人くらいアルバイトスタッフがいるんですが、全員に最高の接客をしてもらうためにも、まずはオーナーであるわたしがお手本にならないといけない。なので、常にお手本となるような接客をするように心掛けています。

それでも改善しない場合は、きちんと言葉にして伝えるようにしています。その際に気をつけているのが、指示をするのではなく、共感してもらうということ。どういうことかというと、たとえば「こうしないといけないよ!」って言われると、あまりいい気持ちにならないじゃないですか。なので、「こういう接客のほうが気持ちよくない?」などと言うようにしています。言い方ひとつで印象も変わりますからね。

  • オーナーインタビュー
  • アルバイトスタッフと密にコミュニケーションを図り関係を構築

オープンから半年後に近所にあった競合店が閉店し、すぐにまた違う競合店がオープンしました。売上に影響はありましたか?

むしろ上がりました。おそらくですが、その際に活きたのがわたしがずっとポイントにしている接客だと考えています。何度か近くの競合店に行ったことがあるんですが、「いらっしゃいませ」や「ありがとうございます」すら言ってもらえなかったことがあって……。お客さまからも「ここのミニストップはいつも印象がいいね!」って言っていただくことも多いので、日々の接客の差で選んでいただけたんじゃないかなと。お客さまからのこういったお褒めの言葉はコンビニ経営のやりがいにもつながる部分ですので、これからもアルバイトスタッフや本部のSAと一緒に選ばれるお店にしていきたいと思います。 現在、お休みはどれくらいありますか?

とても信頼できる店長がいるので、週1~2日は休めています。この間は、妻と3人の子どもとお台場に行ってショッピングをしたり水上バスに乗ったりリフレッシュしてきました。家族との時間を大切にしないと、仕事も頑張れませんからね(笑)。

  • オーナーインタビュー
  • お客さまからのお褒めの言葉がコンビニ経営のやりがいのひとつ

今後の目標を教えてください。

2020年中に2店舗目と3店舗目のオープンを控えています。まだ店舗を作っている途中でいろいろと忙しいんですが、どんなお客さまが来ていただけるのか今から楽しみでしょうがないです。

同じコンビニ、同じミニストップでも、立地によってお客さまがまったく違います。なので、そのお店に適したお店づくりをしていかないといけません。それを試行錯誤するのが本当に楽しみですね。最終的には10店舗を目標に多店舗展開していきたいので、そのためにも店長クラスのスタッフの育成に力を入れていきたいです。

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