【BRAND NOTE】前編:オリーブオイルにも「旬」がある?小豆島で親子三代続く、オリーブ農家をたずねて

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編集スタッフ 塩川 編集スタッフ 塩川

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私たちが口にするものは、どんな想いで作られているのだろう?

子供のころ食べ物を残すと「農家の方が一生懸命作っているんだから、ちゃんと食べなさい」と母に叱られたことがありました。

大人になった今でも、口にする食材の一つひとつを、誰がどんな想いで作っているのか。知る機会はそうありません。

コンビニやスーパーに行けば、国内外問わずあらゆる食べものが簡単に手に入り、どんな食べ物にも作り手がいることを、つい忘れてしまうこともしばしばです。

今回、BRAND NOTEのお取り組みを通じて出会ったのは、香川県・小豆島のオリーブ農家「井上誠耕園(いのうえせいこうえん)」さん。

我が家ではどんな料理でもオリーブオイルを使っているのですが、なかでも旬にこだわった特別なオリーブオイルを作っていると聞き、ものづくりの背景を伺いに小豆島へ行ってきました。

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(この記事は、クライアント企業さまのご依頼で製作する「BRAND NOTE」という記事広告コンテンツです)

 

小豆島で親子三代続く、オリーブ農家をたずねて

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農園に着いたわたしを迎え入れて下さったのは、二代目園主 井上勝由(かつよし)さんと、三代目園主 智博(ともひろ)さん親子です。

勝由さんは今年で86歳。今でも現役で、毎日畑に立っています。

そんなお二人が住む家のすぐそばに、井上誠耕園のオリーブ農園はありました。

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小豆島は日本有数のオリーブ生産地です。

スペインからアメリカに渡ったオリーブの木は、明治時代後期に日本にやってきました。鹿児島・三重・香川の3県に試験的に植えられ、唯一根付いたのがここ、香川県の小豆島なのだそう。

日本で誰も成功したことがなかったオリーブ栽培。先人が我が子のように大切に育てたオリーブの木を分けてもらい、終戦の翌年に初代園主が家の裏のどんぐり畑を開墾し、56本のオリーブを植えました。

それから約70年の時をへて、愛情を注ぎながら丁寧に育て増やした井上誠耕園のオリーブの木は、今では3500本を超えています。

 

オリーブオイルにも「旬」がある

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ここで生まれたのが、三代目園主 智博さんの理想が詰まった「緑果(りょっか)オリーブオイル」。

収穫の時期がなにより重要で、完熟前のフレッシュな緑色の実を搾って作るオイルは、12月から5月までの期間でしか手に入りません。まさに「旬」のある、オリーブオイルなんです!

味や香りにこだわっているからこそ「搾りたてを、いち早く食べて欲しい」と話します。

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一口食べると、いつものオリーブオイルとは全く違う味にびっくり。

さらりとしたオイルなのに満足度が高く、フレッシュな香りと爽やかな苦味が広がり、一度食べたら忘れられない味わいです。

けれどこの美味しさにたどり着くまでには、人との出会いや繋がり、さらには海を渡ったエピソードがありました。

 

「自分たちらしい」とびきり美味しいオリーブオイルが作りたい

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三代目の智博さんが井上誠耕園を継いだのは、平成元年のこと。それから10年が経ち農園の仕事にも慣れてきたころに、オリーブの本場、スペインやイタリアの農園を視察に行く機会がありました。

そこで目にしたのは小豆島の農園の何十倍もあり、どこまでもつづく広大なオリーブ畑。日本のオリーブオイルのほとんどが、輸入品であることも頷けます。

「量では絶対勝てない。ならば、とことん質にこだわってみたい」そんな想いを胸に帰国。スペインで買い付けた小さな搾油機を使い、ここ小豆島で「自分たちらしい」オリーブオイル作りをはじめました。

1703_bn_inoue_img_7201▲写真左から、完熟・完熟前・緑果のオリーブの実です。

オリーブオイルといえば、完熟したオリーブの実を搾ったものが主流。ですが智博さんは、当時の主力商品だったオリーブの浅漬けからヒントを得て、その常識をイチから見直すことにしました。

三代目園主 智博さん:
「見た目にもきれいなグリーンで、美味しいオリーブの浅漬けを作るには、収穫時期の見極めが大切なんです。親父からも、厳しく言われていました。

早摘みのオリーブは、色はきれいなグリーンだけれど、味にはクセや苦みがあります。反対に熟しすぎると色が黒っぽくなりますが、味はまろやかに。

ならばオリーブオイルも同様で、熟度(熟しかた)のちがいで、味が変わるのかもしれないと思ったんです」

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さっそくオリーブの熟度を7段階に分け、早摘み、完熟前、完熟と搾り、味を確認していきます。

試行錯誤を繰り返すうちに、熟す一歩手前の早摘みのものに「自分が求めていた味はこれだ!」と確信しました。

ようやく完成したオイルを「緑果オリーブオイル」と名付け、調べてみると完熟オイルより、緑果のほうがポリフェノールが多く含まれており、健康面でも優れていることがわかりました。

 

しかし手間のかかる「緑果オリーブオイル」

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ようやく完成した「緑果オリーブオイル」は、わたしたちがいつも口にしている完熟オイルとは異なり、フレッシュな香りや爽やかな苦味が特徴的です。

しかし熟す手前の緑色の実は、完熟のものに比べ木から離れづらく、一つひとつ手摘みで収穫するときも、手間がかかります。

さらにはオイルの含有量が少ないため、作れる量も完熟オリーブオイルの約半分。180グラムの瓶に対して、約1,000粒のオリーブの実が必要です。

二代目の勝由さんからも「そんな手間のかかるオイル、やめとけ!」と散々言われたそう。けれど最終的には智博さんの熱意に根負けするかたちで、販売がスタートしました。

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一度食べたらクセになる緑果オリーブオイルは、その美味しさや健康面から、徐々にお客さまが増え、じわじわと人気が出てきました。

けれど小豆島産のオリーブオイルを増やしたくても、農園の広さには限界があります。さらには手摘みのため、値段がどうしても高価なものに。台風などの自然災害もあり、生産量を安定させることは悩みの種でした。

そんなとき海外の農園を視察したことを思い出し、多くのお客さまにもっと気軽に「緑果オリーブオイル」を楽しんでいただくために、国土の広い海外の農園との提携を考えはじめます。

 

小豆島からスペインへ。一目惚れした、ルケ家との出会い

1703_bn_inoue_img_2244▲スペイン アンダルシア州コルドバ県にある、ルケ家の農園。

そのころ偶然にも、スペインの農場でオリーブオイル作りをしていたスタッフが、井上誠耕園で働くことになりました。

これはチャンスだと思った智博さんは、すぐにそのスタッフと共にスペインにわたり、提携農家探しをスタート。

一軒一軒農園を訪ね歩き、熱意を伝えていく中で、手入れが行き届いた美しい農園と出会います。それは井上誠耕園と同じく家族経営で、今では七代続くルケ家の農園です。

当時の園主、六代目のアントニオさんは、この地方で有機栽培の草分けのような存在。ですが気さくに家族みんなで智博さんを迎え入れ、熱心に話を聞いてくれました。

また、アントニオさんと息子のマニエルさんは、オリーブの土作りや育て方のこだわりから、親子喧嘩をすることもしばしば。「親子だからこそ、本音で言い合える。国は違えど、うちと一緒だ」と智博さんは共感したのだそう。

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人に惹かれ、一目惚れのような出会いから、ルケ家とのオリーブオイル作りは今年で11年目になりました。最初は農園のほんの一部を借りていましたが、現在ではそのほとんどが提携農園です。広さは井上誠耕園の30倍ほどなのだそう。

智博さんは毎年少なくても2回はスペインに行き、収穫の時期を見極めます。ルケ家の親子にも「効率ばかりじゃなくて、もっと手をかけて」そんなことを伝えながら、責任をもって、スペインでもオリーブオイル作りに励んでいます。

 

まずはパンにつけて、食べてみてほしい

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小豆島とスペインの情熱がつまった「緑果オリーブオイル」。

 

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